防災対策

大地震に備える非常食を考える。発災直後の食料は調理不要がポイント

この記事では、南海トラフ巨大地震クラスの大災害に備えて、家庭で備蓄しておきたい非常食・災害食について考えます。

科学技術・学術政策研究所の「非常食から被災生活を支える災害食」のレポート内容をベースに、実際にどんな食品を備蓄していけばいいかまとめていきます。

【科学技術・学術政策研究所】
国の科学技術や学術振興に関する政策立案プロセスの一翼を担うために設置された文部科学省直轄の国立試験研究機関。

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災害発生時の食事は3つのステージで検討

大地震などの大規模災害発生後の食事は、3つのステージがあります。

  1. 第1ステージ:発災直後~数日間(ライフラインが全停止)
  2. 第2ステージ:数日間~数週間(電気・ガスの復旧でお湯が利用可能)
  3. 第3ステージ:数週間~数ヶ月(ライフラインが全て復旧)
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第1ステージ:発災直後~数日間(ライフラインが全停止)

電気・ガス・水道のライフラインが全て止まってしまう段階です。

レンジやガスコンロが使用できないため加熱調理(お湯も沸かせないと想定)ができなくなります。

断水によって水が出なくなるので、飲料水がかなり貴重な存在になります。

第1ステージの食料は、調理不要であることが求められます。

  1. 調理不要+単独で食べられる食品:レトルト粥・そのまま食べれるレトルト食品・ゼリー飲料など
  2. 調理不要+飲料が必要な食品:カンパン・缶詰・アルファ化米など
  3. 調理不要+冷蔵庫内の食品:ソーセージ・ちくわ・ヨーグルトなど
  4. 調理不要+冷凍庫内の食品:冷凍ご飯/パン・自然解凍のおかずなど
  5. 乾物:味付け海苔・ふりかけ・とろろ昆布など
  6. その他:果物・チョコ・スナック菓子・ナッツ類・シリアルなど

コンビニやスーパーですぐに食べられるオニギリやパンが買える可能性もありますが、一度売り切れてしまった後は店側も在庫補充がままなりません。

非常食と日常的に食べている食品を組み合わせて、最初の第1ステージ期間を乗り切る必要があります。

第1ステージは被災者の救助活動が優先され、交通網の大混乱で外部からの救援食料も期待できないからです。

家族が生き抜くために必要な食料と飲料水を考え、準備しておきましょう。

また、避難所に行かなくてはならない場合と在宅避難の場合で使える食材も変化します。

どちらの場合にも対応できるようシミュレーションしておきたいですね。

第2ステージ:数日間~数週間(電気・ガスの復旧でお湯が利用可能)

電気の復旧やカセットコンロの利用で、お湯が沸かせるようになった状態です。

食事のパターンが少し増え、インスタント食品やレトルト食品が食べられるようになります。

水道が復旧していれば、お米や素麺・蕎麦・スパゲティなど乾麺も使えるようになります。

備蓄している食料に加えて、救援食料が少しずつ手に入る時期になります。

  1. お湯だけで作れる食品:アルファ化米・フリーズドライ・カップ麺など
  2. 湯煎が必要:レトルト食品
  3. 加熱調理が必要:米・スパゲティ/蕎麦など乾麺
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第3ステージ:数週間~数ヶ月(ライフラインが全て復旧)

全てのライフラインが復旧し、外部からの救助食料の供給も安定してきます。

交通網が復旧することでスーパーやコンビニでも食材が手に入るようになり、煮る・炊く・焼く・炒めるといった調理全般が可能になります。

しかし、想定外の大地震がくれば、第3ステージにたどり着くまでの期間が伸びる可能性も十分にありますので、備蓄食糧はおおいに越したことはありませんね。

引用:科学技術・学術政策研究所「非常食から被災生活を支える災害食」

参考になるのは、スイスの家庭における備蓄状況です。

食料自給率が低いスイスは、有事に海外からの食料の供給がストップした場合に備え、各家庭が備蓄を行っています。

14日分以上の食料を備蓄している家庭が、5割以上というのがすごいですね。

引用:科学技術・学術政策研究所「非常食から被災生活を支える災害食」

一方、日本の家庭の食料備蓄は3日以上が11%、インスタント食品を3日以上保管を含めてもたったの26%しかありません。

日本の家庭の食料備蓄はいくらなんでも少なすぎですので、スイスを見習ってしっかり備蓄していきたいですね。

さいごに

いかがでしたか?

この記事では、南海トラフ巨大地震クラスの大災害に備えて、家庭で備蓄しておきたい非常食・災害食について考えました。

非常食・災害食の準備は3つのステージに分け、発災直後は調理不要で食べれるレトルト粥や乾パンが便利だとわかりました。

また、復旧までの時間が長引く可能性を考えて、可能な限り多くの食料を備蓄しておくことが大切ですね。

スイスの家庭の備蓄状況を参考に、食料備蓄を進めていきましょう。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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